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映画:ノルウェイの森
お久しぶりです。m(__)m
地元の映画館では、終わってしまうらしいので、木曜日(終了前日...)に、映画 ノルウェイの森(http://www.norway-mori.com/index.html)を見た、と言う話題ですが…今月はノルウェイの森の話題が二つだけ、になりそうですが。ま、お付き合い下さい。

少し歳をとった事が良かったと感じるチケットです。

ちなみに、この日は、僕とカミさんを入れて6人しかいませんでした...それじゃ上映終了もやむなしですよね。

わが地元以外ではまだまだやってますので、ご安心下さい...まだ間に合います。



世間の評価がどうなのかはどうかとして、僕にはとても良い映画でした。面白い、と言う表現は当てはまりません、良い映画でした。小説の解釈をより深く感じさせてもくれました。DVDが出たら買いたい、と思っているくらいです。
なにがそう思わせるのか、と言うと村上春樹の魅力がそのまま映画で表現されている、って言う所です。村上春樹の魅力は、僕にとっては引き込まれてしまうところです…その作品が、好きであろうと、無かろうと…気持ち良さそうで有ろうと、無かろうと…何か引き込まれる物が有って、読んでいると滝壺に落ちるかのごとく止まらなくなる...ところでしょうか。おそらく、世に言う「読者に親密さを感じさせるメカニズムを持っている」と評価されているのが、僕にとっては、そのように感じるのだと思っています。

今回のこの映画の良さは、原作に忠実である、というだけでなく、この原作(者)の魅力も見事に現してくれている、という事だと思ってます。という面では、村上春樹を読んだことのない人、特に「ノルウェイの森」を読んだことのない人には、分かりにくいでしょうし、良い映画には感じないかもかもしれません。ですが、少なくとも一度は「ノルウェイの森」を読んだ人には、お薦めです。読んだことのない人には、その読書への入口としてもおすすめできるものと思っています。


さて、以下はネタばれなので...ご了承を。
以下、ネタばれを含んだ、雑感。

直子の演技...これは、とんでもない女優だな、と言う印象を持ちました。はじめから、都内を歩きまわる辺りから、直子の心が深く傷ついていて、直子自身が壊れているような雰囲気が強く感じられたあたり…から、死の決意の大きなファクターになったであろう、ワタナベへの複雑な思いに悩んで泣き叫ぶ演技...実に、見事でした。菊地凛子の演技を見てしまうと、直子は彼女しかいない、と思えるほどです。

ワタナベの演技...映画を見た直後は、なんだかなぁ〜、と言う印象だったのですが、今になって良い印象をいだき始めてます。自然な演技が、そう感じさせたのかもしれません...
特に「ノルウェイの森」のワタナベは、村上春樹自身を連想させる作品に思うのですが、それをうまく印象付けるような演技が良かったですね。元々、村上春樹は彼のような青年だったんだろう、って思えてしまう辺りは、松山ケンイチの演技力のなせる技、なのかもしれません。ひょうひょうとして、流されているようで、堅実かつがんこで...てな雰囲気が..とても良く伝わってきます。

緑が可愛いです。家族の中で傷ついて育ってきて、もう傷つく事無く幸せを得たい、が為に恋人に対してわがままを大きくぶつける緑の心がよく伝わってきます。このわがままさは、言葉だけを聞くとなんて言うヤツだ、って思う人もいるでしょうけど、緑の可愛さがあって初めて納得出来るわがままさだったりするかもしれません。水原希子という女優...映画は初?...を初めて見ましたが、これはなかなかですね。

ハツミさんは、とても美人でした。見ていてとても安心出来る美人なのですけど、この人が傷つき、最終的には自らの命を絶ってしまう...そんな切なさをよく表していていると思います。ほんの数秒のワタナベの言葉でしか具体的には表していないのですが、初音映莉子の演技が、切なさを際立たせてくれてます。

レイコさんも、とても良かったです。僕のイメージだと、もう少し大人というか、年上な感じでしたが...そんな見た目をの問題が払拭する良い演技でした。残念なのは、基本的にワタナベの周りに巡る恋愛物語なので、映画ではあまり大きな役回りが無かった点です。と考えると、最後のレイコさんとワタナベのシーンは、必然性がかなり分かりにくい物になっているかもしれません。原作を読んでいても、理解しにくいシーンなのですが、僕は逆に映画でようやく必然性が見えてきたのですが...それは、原作を読んでいるからであって、映画だけを見るととても分かりにくいだろうなぁ、って...


実は他にも、少し残念なところが、幾つかあります。僕にとってはとても重要だと感じているエピソードが幾つか欠けていることです。ですが、これは今回の映画の主題が恋愛であるところを考えると、本来もっと多面的な魅力のある原作とは異なる点なので、カットして致し方ない伏線なのかもしれません。3時間を超える映画なら、表現できたのかもしれませんが...もし、DVDでディレクターズカットとかが出れば、ぜひ見てみたいと思うところです。

突撃隊が夏休み明けに寮に帰って来なかった時のワタナベの行動
→ 映画にも突撃隊が存在しているのですが、帰ってこない事による、ワタナベの反応が全く無いので、その存在価値が今ひとつ分からなくなってしまっている。とてもウザったくて、緑や直子との笑い種になっている突撃隊の存在感が欲しかったのですが...

ワタナベが緑のお父さんに初めて会ったときに、ワタナベがほとんど反応をしないお父さんを相手に看病をし、きゅうりにノリを巻いた物を食べさせ、「旨い」と言わせるところ
→ 緑がワタナベに全幅の信頼を寄せるためには、とても重要なエピソードのように思うのです。なので、その後、緑に心無い言葉を言ってしまって決定的に嫌われてしまっても、あとでちゃんとヨリを戻すところに繋がらない。

レイコさんの過去の経験談
→ レイコさんの物語中の位置が、今ひとつ理解出来ないはずです。


それと、話の展開が早すぎて、おそらく原作を読んでいないとわからないであろうところが幾つかある、という点でしょうか。特に、直子の誕生日当日の出来事までの進行が、とても早くて、誰が誰なのか、と言うレベルも掴みきれない人もいるのでは無いでしょうか?

など...

おそらく、短い上映時間の中に、様々の要素を組み込む事は不可能だったでしょうし、小説を読まずに初めて作品に触れる人にとっては、必要の無い部分でもあったのかもしれません。なので、小説を読んでから映画を見た人にも、色々とツッコミどころを残し、小説の持つ意味深さを呼び起こして様々な感想を抱かせようとしたトリックなのかもしれません...それにそれらのカットが、読んでない人には謎めいた物になるでしょうし...


と、ネガティブな事が最後になっちゃいけませんので...その他には...

映像がとても綺麗でした。まぁ、映画なんだから当たり前か、って思うのですが、本当にとてもきれいな映像に驚きを感じつつ、演技の細かさ、表現の細かさに関心しつつ、全てのシーンを凝視していました。
アップの大きさ、引きの深さ...この効果は大きいですよね。映画の大きな画面を隅から隅まで見事に使いきっていた、絵作りのこだわり、美しさに関心します。
そして音楽のすばらしさ。そのばその場の心のなかを見事に音、音楽、音色、響きに変換したかのような表現は見事でした。

と考えると、全くと言って良いほどけなす部分が見つからない程の映画だったのかもしれません。
| Movie | 20:35 | comments(0) | - | pookmark |
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